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「これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー」
映画レビュー 平成28年

これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十八年三月号

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 ようやく時勢に追いつきました。
 四月号は『シビル・ウォー キャプテンアメリカ』公開後に書き始めようかなと。

 なお、本年度も例によって『変身ヒーロー・ヒロイン』映画特集となりました。ウルトラもライダーもメモリアルイヤーということて、なかなか粒揃いの楽しい月でしたとも。

 欲を言えば『劇場版プリパラ』も取り上げたかったのですが、あの狂気を完全な初見様に向けて説明する技量が無いので辞退させていただきました。
 あれやっぱりあたまおかしい。


 今回取り上げるのはこちらの作品。


プリキュアオールスターズ みんなで歌う奇跡の魔法!

ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン

仮面ライダー一号

バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生




◎プリキュアオールスターズ みんなで歌う奇跡の魔法!



※※※

 まずは、前年度のおさらい。
 プリキュアシリーズが幼女さまの人気を独占していた時代も今や昔。アニメ・筐体共に同社制作のアイカツ!、タカラトミーが仕掛けるプリパラなどに押され、立ち位置の危うくなったシリーズ制作陣は、それらの持つ『歌って踊る』要素をプリキュア春のオールスター映画に組み込み、『春のカーニバル』と銘打って売り出しました。

 しかし、これまで制作されたエンディングの3DCG(+、一部新規制作物)を延々と見せ続け、プリキュアの持つ個性であるバトルアクション部分を大幅に削ぐ展開に非難が殺到。NEWSTAGEという枠も外れ、もう集まる動機も新要素も何も無いという制作側の悲鳴も解るけど、だからって手抜きで済ませて良いものじゃないよね……。と公開当時思ったものです。

 閑話休題。
 それほどまでに批判の声が大きかったのか、本作はまさしく『歌って踊る』プリキュア『らしい』ミュージカルアニメ映画へと昇華されておりました。また去年の悪夢再来かと思っていたのでびっくり。

(3DCGが導入されて以降の)各作エンディングの流用を『歌って踊る』と評していた前作と異なり、看板に偽りのない『作画』に依るミュージカル要素が盛り沢山。目立った絵の崩れは殆ど見られず、あんまり此方に注力していて、「並行するテレビシリーズの制作は大丈夫なのか……?」と不安になってしまうほど。前例もあるし、本当に不安。

 ゲストキャラクターである魔女ソルシエールと従者トラウーマも、演劇参加経験豊富な女優俳優を起用しており、演技の面でも文句無し。特に、今回悪役を演じた山本耕史のハマりっぷりは、まじでこれ本職俳優なの!? と驚かずにはいられません。

 これだけでも、前作を省み、真摯に作ってくれたことが解って満足だったのですが、本作はバトルアクション演出までもグレードアップ。シリーズ前作『プリンセスプリキュア』の面々は元より、近作である『ハピネスチャージ』、『ドキドキ』の面々までも(客演登場としては)十分な魅せ場が用意されており、東映特撮ヒーローばりの活躍を見せつけてくれます。
 あくまで、『プリキュア』の『ミュージカル』という点はクライマックスまで徹底されており、終盤、大ボスとのプリキュア総力戦は、歌もアクションもマシマシで、スクリーンに展開する絵面はまるで『マクロス』の一場面。
 本来の視聴年層置いてきぼりの血沸き肉躍るアクションシーンは、お金を払ってでも劇場で観る価値ありかと。

 更に特筆すべき点として、ある種『NEWSTAGE』シリーズの顔である、『キュアエコー/坂上あゆみ』の復活参戦も見逃せない。同シリーズにて初登場してから、中途半端に呼ばれたり呼ばれなかったりを繰り返す彼女ではありますが、本作での扱いの良さは過去最大級。主人公らを教え導く役を担うばかりか、42人全員の揃う最終戦にも参戦し、3DCG素材を新規に与えられ、エンディングにまで参加出来るという謎の高待遇。制作スタッフにファンがいたのでしょうか。

 ゲスト声優による気の抜けた演技も無く、嘘偽りなく歌って踊るプリキュアアクションを十二分に味わえる奇跡の一本。現行作に興味が無くともお勧めできる、春興行では久々の良作でございました。


総合点:★★★★★★★☆☆☆



◎劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン


※※※

 のっけから、少しだけ前置きをば。
 歴代シリーズ再放送番組である『ウルトラマン列伝』から派生した新作『ギンガ』、『ギンガS』その後番組たる『X』は、お世辞にも潤沢とは言えない予算の中、アナログ(セット特撮)とデジタル(CG合成)を巧みに使い分け、『工夫』ひとつで往年の特撮ファンを唸らせた、凄まじい一作となりました。

 全二十二話のうち、メインにして劇場版監督の田口清隆氏がメガホンを執った回は、ウルトラのみならず、怪獣特撮としても入魂の作りとなっているため、本作を知らないのであれば、まずはそこだけでも視聴しておくと吉。
 シリーズ初のモキュメンタリー(架空の事件・人物に基づいて作られたドキュメンタリー)『密着! Xio24時』や、最終回の一つ前、『美しき終焉』は特に必見。

 最近は、youtubeで総集編を観ることが出来るようなので、観たことの無い人はまずそちらからどぞどぞ。



 そんな田口清隆監督が再びメガホンを取り、しかも『初代ウルトラマン』と『ティガ』を客演させるというのだから、否が応でも期待してしまうというもの。情報解禁から封切りまで、指折り数えて待ち侘びておりました。
 公開前から名作疑い無しと複数回鑑賞を視野に入れていたのですが、当初の予想を大きく上回り、随所に田口監督らしい『工夫』の垣間見える、文句無しの快作に仕上がっておりました。この時代に生きててよかった。


 話の本筋は『うっかり封印を解いてしまった大怪獣を、防衛隊とウルトラマン総出で撃破する』と至ってシンプル。お話のアタマに三分程にテレビシリーズのごく簡単なおさらいが入るので、X本編を観ていない方にもごあんしん。

 ひな壇みたいにビルの高低が重なったりウルトラマンよりも長い木々が背景に浮かんでいたりしていた前作の監督のやり口を『ヒーローショー』的と観るならば、本作はそうしたパーティ要素は薄まりつつも、より怪獣映画の原点に還ったかのような精巧なセット組みが光ります。どちらが良いかは一長一短。
 予算の都合か、あまり広くないスペースを行ったり来たりするのが主となるのですが、朝・昼・晩の移り変わり、対怪獣、対地戦、対空戦、怪獣対ウルトラマンと、目まぐるしく対戦カードを入れ替えることで、飽きの来ない構成になってるのは巧い。中でもクライマックス、セット背景に横並びに揃ったウルトラ戦士対怪獣を合成し、更に手前に防衛隊員や戦闘機を加えての『長回し』は圧巻。


 御年五十を迎える光の巨人ウルトラマン、そして平成シリーズの走りとなり、こちらも今年二十周年という節目を迎えるウルトラマンティガ。惜しくも両者ともに本人出演(黒部進さんや長野博さん)は叶わなかったものの、出ないからこそ本来光の巨人らが持つ神秘性が強調されており、当時を識るファンには堪らない要素が盛り沢山。
 ティガの肝でもあり、前作に至るまでなかなか活用されなかった『タイプチェンジ』も当たり前のように全て使用され、流れるように敵を仕留める勇姿に、当時のファンは興奮すること間違いなし。筆者が丁度『ティガ』の直撃世代なのもあり、客演に相応しい活躍ぶりは冗談抜きで感涙モノ。田口監督ありがとう、本当にありがとう。
 その登場にはあれそれ声が出そうですが、本編最終回に於いてダイゴが発した『人間は、自らの力で光になれるんだ』という言葉を思い返すと割とすんなり受け入れられるはず。

 一方、初代『マン』も蔑ろにされているわけではなく、エックス、ティガが揃い行く中で満を持して赤い玉と共に出現、登場人物の誰もが息を呑み、しばらく無言となるほどの存在感を発揮。それでいて大一番では主役の顔を立て、端っこに引き下がる奥ゆかしさまで備えており、流石は原初の男だなと尊敬の念を抱かずにはいられません。
 なのに、一度戦闘がはじまると背筋の伸び切らないヤクザキックに、執拗なまでの急所狙いチョップ。接近戦からの首絞めと『かつて』を彷彿とさせるヤンチャっぷり。身体全部を活用してのプロレスファイトは是非とも大画面で確認していただきたいところ。


 個人的にはもう、今の時点で2016年度ベスト3入りしそうな程お気に入りの一本なのですが、予算と時間の都合で性急な展開が多いのは少しマイナス。
 特撮部分を活かすためのカット、と言えば聞こえは良いのですが、もうちょっと『溜め』が欲しいと思ったシーンが台詞で処理されたり切られたりしていて忙しいなあと言う点が本当に惜しい。
 せめて後10分程上乗せされていたならば……。


 今年の邦画特撮最高峰はきっと『シン・ゴジラ』でしょうし、そのつもりで待っているのですけれど、既に大分満足してしまっている自分がいて、今年の特撮映画始めが本作で良かったなあと本気で思います。

総合点:★★★★★★★★☆☆

◎関連
劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ十勇士
 前年度公開作。こちらにはこちらの良さがある。
 女の子もウルトラマンも平等にアオりアングルになる安定の坂本浩一クオリティ。



◎仮面ライダー一号


※※※

 今年もやって参りました、春の東映ヒーロー乱闘まつり。
 普段は同社作品の独壇場なのですが(他に進んでやろうとするやついないし)、今年は同じ月にバットマンとスーパーマンが乱闘騒ぎを巻き起こし、マーヴェル作に至っては来月、アイアンマンとキャプテンアメリカが互いに連合を率いて『戦争』勃発と、強烈なライバルひしめく群雄割拠。
 このオールスター感謝祭に際し、(既に集まる理由も尽き掛けていた)東映が如何な理由を以って殴り込んで来るのか注目していたのですが、今年はなんと『乱闘まつり』そのものから撤退を表明。しかも、シリーズ45周年にかこつけて『はじまりの男』たる本郷猛/藤岡弘、を祭り上げることとなりました。

 企画の時点から名を連ねる藤岡氏(スタッフロールでは大元締めの白倉プロデューサーよりも上にその名があります)のほか、脚本には東映の名物脚本家にして、『初代』メインライター・伊上勝の実子・井上敏樹。監督は藤岡氏と『初代』の現場で労苦を共にしたスタント古参のひとり、JAC社長の金田治。“初代“を描くに当たって最高の布陣を以て描かれたそれは、今まで以上に賛否の振れ幅の大きな一作となりました。

 仮面ライダー一号/本郷猛。彼は仲間と共にショッカーを壊滅させた後、世界を巡りその残党と戦い続けてきた。しかし、そんな彼ですら寄る年波には勝てず、ボディの老朽化による『死』が間近に迫る。残り僅かな『生』を実感した本郷は、戦いから遠ざけるべく疎遠となっていた恩義ある『おやっさん/立花藤兵衛』の孫娘の元へと向かう。
 同じ頃、毎度の如く復活を遂げたショッカーにも新たな動きが。武力行使に依る世界征服に拘る旧来のショッカーと、別の形での人類支配を目論む急進勢力『ノバショッカー』とが対立。深刻な内部分裂を引き起こしていた。
 一方は未だ目覚めぬ大幹部・地獄大使の復活に望みを託し、急進派のノバショッカーもまた、独自の思惑から立花藤兵衛の孫娘の身柄を狙って暗躍を始めるのだが――。



 兎にも角にも、本作は『藤岡弘、』という俳優による、彼のためのワンマン映画と言う一言に尽きます。まだ銀幕が娯楽の中心だった時代の、『出るだけで確実に客が呼べる』人気俳優を主演に据えたスターワンマン映画とか、そんな雰囲気。

 本郷猛というと、遡ること二年前、ライダー映画史上凄まじくしょーもない理由でいざこざを始めた元締めという印象が強いのですが、本作の彼はそんな要素をばっさりと廃し、弱きを助け強きを挫き、後進を諭し導く様は正に『漢』。『今』の本郷猛に合わせた武骨なビジュアルも相まって、徒手空拳で戦う様はひたすらにシビれます。クライマックス、愛機の大型バイク・ネオサイクロンを駆って戦場に乗り込む姿は圧巻のひとこと。
 個人的なイチ押しシーンは、『ゴースト』の主要キャストのたまり場たる天空寺の客間で、静かに座禅を組む場面。渋い。

 一方で、従来作では希薄になりがちだった『人間』としての姿もクローズアップされ、おやっさん・立花藤兵衛の孫娘と触れ合う様は、これまでの作品で度々見せていたしかめ面が嘘のような好々爺っぷり。『本郷猛と擬似デートができる』とまで評される驚異の絵面は、是非スクリーンでお確かめいただきたい所。

 かつてのように、理不尽な説教で若者を困らすようなこともなく、むしろ『若者が自分の言うことを真面目に聞かないと解っていても声を荒げることなく淡々と持論を述べるその姿は、『あれ』と本当に同一人物なのか、と首を傾げずにはいられません。
 数々の戦場を渡り歩き、ボランティア活動に従事した藤岡氏だからこそ重みのある『命とは?』という言葉を追うやり取りは、昭和の時代、主演俳優たちが口にした『ヒーローを題材にした教育番組』、まさにそれ。いつものあたまのわるい争いは一体どこに行ってしまったのでしょう。


 とまあ、本作は現行の主演俳優が霞むほどの存在感を放ち、『命』の重みをこれでもかも訴える、本郷猛/藤岡弘、が好きで好きでたまらない人のツボを突く作品となったのですが、翻って、いつものライダー春映画として観ると、大変間口が狭い作品となったなあというのが正直なところ。
 ヒーロー同士が喧嘩せず、戦隊側が不用意に出しゃばったりしないものの、それ故過去作からの客演は一切なく、敵はショッカー一本に絞られているため怪人の頭数も少なく、同じやつが長い時間画面に居座るため、例年に比べ大変地味な絵面となっているのが致し痒し。尤も、自分たち観客がこれまでの異常な集合劇に慣れ切っているだけ、といえばそれまでですが。

 しかし、そちらに目を瞑って観たとして、『本郷猛』を知らない観客がこれを観て、一体何を思うのかも気になる。初代ライダーに魅せられた世代はさておき、そうでない『ゴースト』が目当て劇場に足を運んだ幼年層にとっては、『孫娘とデート同然の交流を深め、主役を差し置いて美味しいところを掻っ攫う身体にガタの来たおじいちゃん』というイメージという印象を払拭出来ないのでは……? はじまりの男なのに……

 なお、いつもの春恒例クロスオーバー要素はほぼゼロ。一応、無いことも無いのですが、You Tubeに於けるショートムービーを観覧していないと、突如出現した新アイテムに首をかしげることになる上、奇跡的に玩具販促意識の希薄なスタッフが集合してしまったので、処理方法もかなり雑。何故あれだけ結集して敵を倒すことが出来ない……。

 総評。
 藤岡弘、ひいては初代仮面ライダーが好きだった人は観て損のないお話に落ち着いたとは思います。『ゴースト』のキャラクターが解らかなくとも、そもそも主役は徹頭徹尾藤岡弘、なので気にせずぽんぽんと流すのが吉。
 人員が大幅に削減されたため、不条理な喧嘩や既存キャラ貶しなどを気にせずに鑑賞できるのは大きいかなと。
 挙げてしまえばちょこちょこ突っ込みどころが顔を出すのですが、それでもここ四年近く続いたオールスター映画より何倍もマシです。
 マシ、という言葉でまとめたことに、一抹の敗北感を覚えつつ。

総合点:★★★★★★☆☆☆☆

◎関連
スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー三号
 前作。本作を観終わった後にこちらへ移行すると、情報量過多で吐きそうになる。



◎バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生



※※※

 三年前、鳴り物入りで公開され、全世界で賛否両論を巻き起こした実写版ドラゴンボールスーパーマンのリブート『マン・オブ・スティール』。続編たる本作は同じくリブートされたバットマンをもう一人の主人公に据え、はちゃめちゃな喧嘩を繰り広げる、なんともゴキゲンな一作と相成りました。賛否両論巻き起こしそうなのは相変わらず……。


 まず、前提として知っておくことは、本作のスーパーマンは対峙するバットマンは元より、ヘタすればマーヴェルのヒーローたちが束になっても出来ないようなことを、いとも容易くやってのけられてしまうということ。
 打ち上げに失敗し、爆発炎上するシャトルからパイロットたちを救い出し、四方を濁流に囲まれ、家の屋根まで水が迫る中でも平然と救助に向かう。単騎でやすやすと大気圏を突破し、核の爆発にすら耐える理不尽の体現。そんな奴が国同士のしがらみに縛られず、世界中を飛び回る。一方では彼を神と崇め、しかし一方では制御出来ない力を持った『悪魔』と忌み嫌われる。前作でも言ったような気がしますが、本当にパワー一本で生きてゆくには辛い時代になったよなあとしみじみ。

 そして、そういう人たちの代表格がバットマン/ブルース・ウェイン。老練たる彼は『前作』の決戦を目の当たりにして、下々の人間を気にせず暴れまわるスーパーマンを敵視。紆余曲折あって彼を野放しに出来ない『脅威』と判断。持ち前の知識と技術と金に明かした科学力を駆使し、全てにおいて自分に勝るスーパーマンを迎え撃たんとするが――。

 もう一つ知っておくべき予備知識として、ベン・アフレック演じる『彼』は、昨今展開されていたクリストファー・ノーラン監督に依る『ダークナイト・トリロジー(以下、『ノーラン版』)』とは繋がらず、本作独自の歴史を生きた、ベテランのバットマンだということ。
 肉体的にも峠を越し、大切な人々を失っても、なお自らの掲げる正義のために、スーパーマンたるクラークにその仕打ちを糾弾されてもなお闘う様は、ノーラン版やかつての作品群にも多大なる影響を与えたグラフィック・ノベル『ダークナイト・リターンズ』を想起させずにはいられません。タイトルロールから名前が外れ、好き勝手にやれるようになったようにも見えますけれども。


『前作』がスーパーマン誕生までをえらく長尺で描き、相手も同じクリプトン人なせいか、人助けどころかその超人っぷりが解りづらかったのですが、本作はバットマンという対立軸を置いたおかげで、どちらも満たしているのも好印象。無論、客演たるバットマンにも相応の見せ場が用意されており、『彼』にしか出来ない救助シーンや歳を感じさせない荒々しい格闘戦は一見の価値あり。

 自分も下馬評に倣い、『ベン・アフがバットマン!? 冗談だろ?』と本気で思っていたのですが(一年半くらい前にやってた『奥さんにゴーンされて散々な目に遭う映画』のイメージがあったし)、なかなかこれがはまり役。
 むしろその年齢が若いスーパーマン/ヘンリー・カヴィルとの対比になってるし、穏やかなれど生気の失せた目や演技なんかが、この役そのものだなあと感心せずにはいられません。これで監督業もする役者だってんだからなあもう。

 圧倒的な『力』に依って捩じ伏せんとするスーパーマンと、彼の弱点を識り、最新装備と不屈の闘志で食い下がるバットマンの姿はどちらも魅力的。原作で度々描かれてきた対戦カードの実写化としては、十二分に楽しめるのではないでしょうか。『前作』クライマックスで描かれたドラゴンボールばりのハチャメチャは健在で、破壊規模に限れば、四月末公開の『シビル・ウォー』よりもヤバい気がする。

 とはいえ、マーヴェル作品に比べ、共闘への足並みの揃わなさ、そこに至るまでの人間たちの惨たらしさ表現は相変わらず酷く、上映時間の長さも相まって前作が許容できなかった人には厳しいか。バットマンに関しても、その出生に関しては描写されても、今の彼を形作った『行間』を読むには原作の知識が無いとかなり厳しく、(あっちのお国じゃ)誰もが読んでるコミックとはいえずいぶん不親切な作りだなーと。
 本作はDCコミックスヒーロー連合『ジャスティス・リーグ』の骨子となるお話で、それ故今まで聞いたことのないようなやつらがわらわらと登場するのですが、これがまた唐突。その予定で作っていたんなら、一作目からやっときゃよかったのに……。尤も、本当に『顔見せ』程度なので、これから徐々に明かされて行くものだと……思いたい。

 ちょこちょこ不満はありましたが、二大ヒーローのどちらにも見せ場を作り、クライマックスに大乱闘をぶち込んで、なかなか賑やかなお話となりました。
 バットマンも、スーパーマンもあまり知らない……というひとは、むしろ情報を仕入れず、対立する二人のヒーローの姿を追ってみてはいかがでしょうか。終盤まで追ってゆく頃にはハンス・ジマーとジャンキーXL(『マッドマックス・怒りのデスロード』の劇伴担当)作曲のアガる音楽と共に燃えてくるはず。

総合点:★★★★★★☆☆☆☆
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