スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年四月号 →これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年六月号
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


総もくじ  3kaku_s_L.png Journey through the Decade Re-mix
総もくじ  3kaku_s_L.png これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー
もくじ  3kaku_s_L.png 観た映画の感想
もくじ  3kaku_s_L.png 自作のアレな絵
もくじ  3kaku_s_L.png わかめ新聞雑記
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年四月号】へ
  • 【これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年六月号】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー」
映画レビュー 平成26年

これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年五月号

 ←これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年四月号 →これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年六月号
 最早ひと月後の更新が定例化しつつある映画レビュー。
 前月の分が、これを始めてから二周年になるのにいつもの更新と全く変わらなかったため、今月分は一本分余計に書いています。

 今月レビューを書くのはこちらの四作品。



プリズナーズ

とらわれて夏

ミスターGO

キカイダー REBOOT



◎今月鑑賞作

・「プリズナーズ」
・「ルパン三世 カリオストロの城・デジタルリマスター版」
・「とらわれて夏」
・「キカイダー REBOOT」
・「ミスターGO」


 前作で遊び過ぎた反動と、次月・次々月にゴジラが待ち構えているのもあり、今月はかーなーり、縮小気味。
 これの裏でやってた連作もひと段落したため、今月はそれまで抱えていた持病の治療やら、買うばかりで溜め込んでいたゲームの消化に充てさせていただきました。
 ……まあ、これを書いている時点ではまだクリアしてないんですけどね、逆転裁判5。

 なお、今回感想を書いていないカリオストロは……。今更筆者があーだこーだ言うよりも、色んな人が色んな所で色々言ってるだろうし、別にいいかなーと。

 リマスターによる画質音質の進化ぶりには目を見張るものがあるので、後追いで上映される劇場の近くにお住まいの方は是非是非ご鑑賞を。テレビで「何度目だ」と頬杖付いて観るときとはまた違った感動におそわれること間違いなしです。




◎プリズナーズ

〜あらすじ〜

 小さな工務店を経営するケラー(演:ヒュー・ジャックマン)の一人娘・アナが一つ年上の友達と共に失踪。警察は間もなく容疑者として不気味な青年アレックス(演:ポール・ダノ)を拘束するが、彼は容疑を否認している上、証拠は不十分。加えて精神鑑定上こうした事件は起こせない、との結論に至り、何の手がかりも得られないまま釈放されてしまう。
 事件は再び振り出しに戻ってしまうのか? 落胆するケラーであったが、釈放の際彼が発したとある一言によって彼が犯人だと確信。何としても口を割らせるべく、家族や警察にも内緒で彼を捕え、監禁・拷問を加えることで自白させんとする。
 同じく事件を追う刑事に睨まれながら、愛する妻や息子たちと距離を置きながら、「もしかしたらこの男は犯人では無いのでは……?」という良心の葛藤に苛まれたケラーが辿り着く真相とは――?



※※※

「愛」という言葉は、そこに何かをプラスすると際限無く意味が増えていって、定義そのものがあやふやな代物。男女の恋愛、親子愛、偏愛――、このなんだかよく分からない感情は時に人を常軌を逸した行動に駆り立て、思いも依らない結果を引き起こしたりします。ある者は一生を懸けて伴侶に尽くしたり、ある者は地球の自転を逆回転させて時を戻したり、またある者は神様を引き裂いて悪魔なんてものになってしまったり

 この映画の主人公・父親役のヒュー・ジャックマンは爪が飛び出る訳でも、歌って踊れる軍人でも、元ボクサーでロボットと一緒に殴り合う訳でもない親子愛に溢れたフツーのオヤジ。愛する娘が攫われた! なんて事態に遭っても、警察を動かして派手に捜査したり、自ら犯人を特定する力なんてものはありません。
 何時まで経っても挙がらない犯人、焦燥感から窶れてゆく妻、遅々として進展しない捜査。更には容疑者として捕まった男は証拠不十分と心身的に犯行を行う能力が無いとして釈放。八方塞がりとなったヒューパパは、なんとこの容疑者を僻地に監禁し、娘の居場所を聞き出そうと試みる。

 先程も語った通り、この映画のヒューパパは特殊能力も人並み外れたガッツもない普通のオジサン。そんな奴がシロともクロとも言い切れない男を監禁し続けるとどうなるか。本作ではその過程・葛藤・末路が本人のみならずその周囲を通じてねっとりと描かれます。

 PG12指定なので「直接」見せられる訳ではありませんが、愛娘を助け出さんが為の拷問は、素人が滅茶苦茶にやる分逆に怖い。アカデミー賞俳優ヒュー・ジャックマンの鬼気迫る演技と、監禁された男の悲鳴がいちいち恐ろしく、彼の怒りが余す所無く伝わってきます。
 そんな拷問とヒューパパの威圧を受けてなお口を割らない犯人がまた不気味。あまりに何も言わないものだから、「こいつ本当に関係無かったんじゃあないの?」と思い、つい同情してしまいそうになりますが、そうしたタイミングで事件と関係のあるかのような発言を匂わせ、ヒューパパと観客のモチベーションを維持するという構成がニクい。全体を通していたぶられている彼ですが、「こんなに殴られちゃって可哀想」というような同情はあまり起こらないようになっています。尤も、ヒューパパのやってることも相当えげつないので、どちらにも肩入れは出来ない訳ですが。

 幾らひどい目に遭わせても一向に口を割らないこの犯人に対して、奴だけが娘に繋がる手掛かりだと盲信し、凄惨な拷問に手を染めるヒューパパ。重罪だと知りながら協力して来た者たちも離れて行き、たった一人で、「本当は罪なき者に謂れのない暴力を加えているのではないか」という疑念と戦い、彼の精神は次第に磨り減って行く。

 再三言いますが、本作の彼はその辺にいる子持ちのオッサン。そんな人間がたった一つのか細い道しるべだけを頼りに拷問を続けていって、無事でいられる訳がない。中盤から終盤の憔悴振りはやってることの倫理観を抜きにしてなんだかいたたまれなくなります。

 この話で面白いのはヒューパパのそうした葛藤もですが、幾ら理由を並べ立てたとしても、彼のやってることも結局は「娘の誘拐犯人」と何ら変わらないという点。だから家族には何も言い出せないし、警察に捕まれば申し開きのしょうがない。結果彼は犯人を拷問する傍ら、家族には嘘を吐いて愛想を尽かされ、追ってくる警察を躱して行かなくてはならないという必要もついて回る。前述の通り、拷問は殆ど効果が無いものだから、その途中で見付かる/見付からないのシーンが展開された時の緊迫感はなかなかのもの。誤魔化しが上手い下手ではなく、それを続けて行くことによるヒューパパの疲労の蓄積が観ていてうへぇ……となること請け合い。

 そうした心の揺れ動き、ヒューさんの葛藤が観ていてとても面白かったのですが、終盤ちょっと「そこまで分かっててそれ……?」と言うようなシーンがあったり、明かされる「真相」が何だかよく分からないような形で淡々と処理されてしまったのはマイナスかなあと。未だに頭の中で真相の真意が上手く掴めなくてもやーっとしています。

 とまあ、不満はありましたが「そうした」映画としてはなかなか興味深く観られました。幼い子を持つ親が観ると気が気ではないかも知れません。
 エンドロール前のラストシーンは序盤でちらっと匂わせてきた「あるもの」を的確に使っていて好印象です。



総合点:★★★★★★☆☆☆☆







◎とらわれて夏

〜あらすじ〜

 米国東部の静かな町。心に傷を負ったシングルマザー・アデル(演:ケイト・ウィンスレット)と13歳の息子・ヘンリーは、偶然出くわした脱獄囚のフランク(演:ジョシュ・ブローリン)に強要され、「足の怪我が治癒するまで」彼を自宅に匿うことになる。
 絶対に二人に危害は加えないと約束したフランクは、女手や子どもの力では難しい家事を率先して行い、料理をふるまい、ヘンリーに野球を教える。三人の距離は徐々に縮まって行き、ヘンリーは彼を父のようにしたい、アデルは互いに惹かれあってゆく。
 しかし、警察の追及は止むことは無く、長く留まっていては自分はおろか、この二人にまで迷惑をかけることになりかねない。この状況を打破するべく、フランクはある決断を下すのだが――。



※※※

 Twitterその他で存在を知り、その評判が気になって観に行ったシリーズ。当然の如くこうしたタイプの映画は然程好みでは無いのですが、背景設定の巧みさと主要登場人物たちの心境の変化とそれによって生じる展開に、最後まで飽きることなく鑑賞することが出来ました。

 主となるのはとある事情から深刻な心の病に侵され、まともな生活を送ることすら出来なくなり、夫に逃げられた母親と、そんな彼女を支えようと頑張る十二歳の息子。そして刑務所から脱獄し、彼女たちの家に立て籠もることになった男。
『"何か"が欠落していた家族に異物が入ることで、その"何か"が埋まって行く』という割とお決まりの話筋ですが、人質と立て籠もり犯という軋轢の中、ほんの少しずつその垣根を超えて擬似的な「家族」に成って行く課程が観ていてとても微笑ましい。特に「料理」を作るシーンは三人の絆が深まる暖かなものであると同時に、PG−12故に描写出来ない「性的な」何かも感じさせちゃってるんですよね。それは決して無駄なものではなく、お話を観ていると非常に重要な要素であることが分かるという。

 メインとしては脱獄囚さんと倦怠感ばりばりの母親が心を通わすドラマですが、そこに絡まる思春期の息子の物語がまた興味深いのなんのって。父性が欠落した母子家庭の中で、居なくなった夫の代わりになろうと奮闘する息子君だけども、脱獄囚さんの登場で愛する母の心は段々と彼の方へと移ってゆく。
 そらもう、それまで彼女の支えにならんとしていた彼としてはたまったものじゃありませんよね。けれども、彼は決して嫌な奴でも行きずりの奥さんを寝取るような奴でもなく、むしろ離婚によって失われた「父」そのもの。心を通わせて行くと同時に嫉妬心を抱いてしまう思春期特有のビミョーで繊細なオトコゴコロがどんな結果を引き起こすのか。それは直接劇場で見ていただきたいところ。


 そこに加わる「脱獄囚」というスパイスが効いていて、二時間弱を飽きることなく魅せてくれています。
 この脱獄囚さんってのが(本編序〜中盤を観る限りは)今まで収監されていあのが不思議なくらいにいい人で、彼と母子とが距離を埋めて行く過程は観ていて微笑ましいのですが、それでも彼は脱獄囚。日に日に厳しくなる捜査の目は、そんな浮ついた日々を壊そうとしたり、絶妙な所で緊張感を与えてくれるんですよね。
 それまで仲良く食事を摂っていた三人が来客のせいで人質と立て籠もり犯になってしまったり、脱獄囚たる彼の置かれた状況のせいで、ちょっとした買い物がはらはらどきどきの大スペクタクルめいたものになってしまったり(ヒッチコックの『サイコ』序盤の逃亡シーンのよう、と言えば分かり易いでしょうか)。その先に待つ末路はある意味で順当なものではあるのですが。


 ただ、それらを乗り越えた先にある「真のラスト」にはちょっとだけ不満かなあと。それまでの出来事を総括し、その全てが集約されているのは良いのですが、流石にちょっと「ざっくりやりすぎ
」なんじゃないかという。
 やってる事自体は文句無いんですよ。主要登場人物たちが皆救われるラストで気持ち良く終われますし。けれど、たった5日間をここまでねっとり描いておいて、その先が「あそこまで」さっぱりしてるというのがちょっと、なあ。


総合点:★★★★★★★☆☆☆




◎ミスターGO

〜あらすじ〜

 韓国球界万年最下位チームのベアーズは、凄腕スカウトマン・ソンの口車に乗り、中国で話題になっていた、サーカス所属の「野球を仕込まれたゴリラ」をメンバーに迎え入れることを決意。人間でなくゴリラを球界に送り込むことには賛否両論が渦巻くが、ソンの口八丁手八丁に数々の根回しの末、なんと承認されてしまうことに。
 借金まみれで経営難に陥っていたサーカスの団長代理の少女・ウェイウェイ(演:シュー・チャオ(声:田村ゆかり))はサーカス再興のためこれを受諾。ゴリラ使いとして一緒に韓国に旅立つこととなった。

 そして迎えた野球ゴリラ――《ミスターGO》の初打席。ウェイウェイのアシストもあってか、GOは恐るべき剛速球を叩き出し、「代打の切り札」として一気にのし上がって行く。GOの人気は瞬く間に韓国中に広がり、遂には日本から選手獲得のオファーが。
 しかし同時に、GO以上に凶暴な野球ゴリラ・ZOROS《ゼロス》が現れて――。



※※※

公式サイト
>>日本語吹き替え版 人気声優・田村ゆかりさん、決定!!

 この、如何様にも取れそうな文言のせいで鑑賞をキメました(※勿論「ゴリラ役」ではなく「ゴリラのパートナー少女役」を吹き替えていますのでご心配なく)。
 まったく、あっちのお国は何をやるにしても自由だなァと。尤も、上記のキービジュアルと田村ゆかりのミスマッチさの後「韓国の作品」であると気付いた訳ですが。


 一体何故こんな映画に莫大なカネを出したのかワケが解かりませんが、スクリーン狭しと暴れまわるゴリラのCGはかの「ライフ・オブ・パイ」のトラ並みの自然さで、まるで本当にゴリラが打席に立ってバットを握っているかのよう。しかもそれが本編時間の九割近くスクリーンで大なり小なり映っているというのだから、ますます持って「何故こんな映画で……?」と首を傾げずにはいられません。

 ゴリラを選手として招聘したり、そのゴリラをオダギリジョー中日オーナーが買いに来るなんて荒唐無稽なネタとは裏腹に、お話の中身はどろどろとしたマネーゲームが主。ゴリラが派手に打ちまくるような話を期待して観に行った観客には少しつらいかも知れません。
 まず、主人公のリンリンからして「野球はそれほど好きではなく」、ゴリラに野球をやらせる理由は「サーカスの借金を返すため」。親の代から執拗に返済を迫る借金取りたちはあの手この手で取り立てようとするし、無駄な時間は費やしていられない。彼女たちを引き取ったマネージャーは韓国球界にはまるで興味を示さず、ここで力強さを国外にアピールして他国に売り付けることしか考えていない守銭奴。作中の表現を借りて言うなら「ハンター」とするのが適切でしょうか。
 メインはゴリラの野球だけれども、その裏に渦巻くのがそうしたカネの話ばかりなわけですから、一度「安全で強くて人気のゴリラ」というメッキが剥がれると、途端に暗くてみみっちい話に傾いてしまう。それこそゴリラがただの「道具」にしか見えないような状態で、観ているこっちがゲンナリしてしまいます。

 金にがめついマネージャーの男がそういう風に見えるのは当たり前なのですが、そうなった時、主役たるリンリンに感情移入がしにくいのはちょっとマイナスかなあと。ゴリラとの付き合いの長さや愛情は冒頭の「ドキュメンタリー」で散々説明されるのですが、いざ金の話になるとゴリラそっちのけで保護者のマネージャーとヒートするばかりなのと、終盤のとある「トラブル」でゴリラが打席に立てなくなった時、幾ら借金の件があったとはいえ「試合に出す」ことに反対する素振りすら見せなかったって所が引っ掛かるんですよねえ。尤も、言ったとしてももう引き下がれないところにまで行っているわけですけども。
 キービジュアルじゃあんなに堂々とした背中を見せているというのに、そんなゴリラがマネーゲームの道具扱いにされていると知ったら、観客はどう思うのだろうか。


 それはまあ、さておき。兎にも角にもゴリラ周りのCGは見事の一言(食事シーンのモデリングの一部はゴリラじゃなくてパンダを使ってるんじゃないかと思ったりしましたが)。冒頭にドキュメンタリーを配置して真面目にやっていくかと思いきや、子どもの妄想のような現実味の無い展開を無理矢理押し通してゆく様はそれだけで笑えるのではないでしょうか。
 ライバルゴリラとの「死合」後の展開は「あれだけやっといて結局それかよ!」と突っ込みたくなること請け合い。

『田村ゆかりを吹き替えに起用したゴリラ映画』というトンデモ振りに惹かれて鑑賞した一作ではありましたが、まあ、払ったお金分は楽しめたんじゃあ、ないかなあ、アハハ……

総合点:★★★★★☆☆☆☆☆






◎キカイダー REBOOT

〜あらすじ〜

 ロボットの平和的利用によって日本国民に幸せをもたらさんとする「ARKプロジェクト」。世界有数の科学者によっての試作機が開発され、計画は順調に進んでいるものと思われていたが、その過程で、「ロボットに心――《良心回路》を持たせようとする」開発主任の光明寺博士(演:長嶋一茂)と、それを否定する研究員ギルバート・神崎(演:鶴見辰吾)の二人が激しく対立。彼と政府の決定に落胆した光明寺は、ARKプロジェクトにとって重要なデータを持って失踪し、後に「事故死」として大々的に報じられることとなる。

 光明寺の研究データを体内に宿した息子のマサルを狙い、謎の特殊部隊が動き出す。あわや連れ去られかけたマサルと姉のミツ子(演:佐津川愛美)を救ったのは、博士が良心回路を埋めこんだアンドロイド・キカイダー(演(人間態):入江甚儀)だった。
 二人を守るよう博士にプログラムされたキカイダー=ジローは、二人を連れた逃避行の中でヒトとアンドロイドとの垣根を越え、静かに心を通わせて行く。だが、そんなキカイダーを邪魔者と判断したプロジェクト・チームは彼の破壊の為、本格的な戦闘用ロボット・ハカイダーを開発し――。



※※※

 ご存知「仮面ライダー」が産まれて早四十三年。東映はこれまで数多くのテレビ特撮ヒーローを産み出し続け、彼らの活躍を観て育ったかつての子どもたちは成人し、その多くが所帯を持って子を育てる親となりました。

 そして現代。そんな大人たちと現在特撮ヒーローを観ている子どもたち(あわよくば、未だに特撮ヒーロー番組を観ている大きなお友だちも)を取り込んでキャラクター・コンテンツの再生を狙わんと、多種多用のリブート・ヒーロー映画・Vシネマが量産され、一過性の話題となっては消えて行く時代。
 やりすぎてそろそろ残弾が無くなってきた東映は、遂にライダーと並ぶ長い歴史を持つ特撮ヒーロー「人造人間キカイダー」に手を付けました。

 いやはや、「スーパーヒーロー大戦Z」のラストでキカイダーの後付け特報を目にした時は正気か? と思いましたとも。生誕三十周年の「宇宙刑事ギャバン」を「あぁいう風に」映画化する会社ですから、更に時代を遡った作品を作って上手く行くのか、(本国以上に人気のあるハワイじゃあるまいし)そもそも観に来てくれる層がそこまでいるのか? とそういうことばかり気になっていました。
 そうした懸念通り、それ以降2013年中全く音沙汰がなく、流石に東映も懲りたのかな? と思いきや、突然角川との制作提携が取り沙汰され、そこからキービジュアルに予告、主要キャストが明かされてゆくという衝撃。リスク分散か、何で角川が!? ヤバイのにヤバイのが重なって地雷度百倍じゃあないかと、始まる前から戦々恐々とし、5月末の封切り日に鑑賞。


 流石に二年も制作期間をかけ、角川が協力しただけあってか、これまでに観てきた幾多のリブートヒーロー映画よりは良く出来たお話だったんじゃないかなあと。
 何はともあれ、昨今のリブート作品にありがちな、「大人を取り込むという名目の恋愛劇」が中心に無く、ジロー=キカイダーが様々な出会いと葛藤を経て、自分自身の力で「心」を手に入れるという一本筋の物語を貫けたところに拍手を送りたい。
 そりゃあ、かつて特撮番組を観ていた大人だけをターゲットにしていては興収は稼げないですし、そうした間口の狭い話をしていては、今は良くてもどんどん先細ってくのは理解出来ますけれど、制作予算の都合もあって、そればかり際立つ昨今のヒーロー映画には本当にうんざりしていたんですよ。完全に新旧スタッフの入れ替えがある作品ならまだしも、当時の現場を知っているスタッフが名を連ねる場合でそれはどうなのかなあ、と。子どもの時ときめいたアクションや雑多なストーリーをそのまま最新の技術で映像化しちゃあイカンのか? と。

 閑話休題。「仮面ライダーSPIRIT」で有名な村枝賢一氏がリファインした「当時と殆どそのまま」なキカイダー・ハカイダーも、昨今のライダー宜しく「動けば割と格好良くて」あまり気になりません。特に敵役ハカイダーは、(個人的にはかつて雨宮慶太監督が制作したそれのデザインの方が好みなのですが)傍若無人な振る舞いとハカイダーショットの華麗さのお陰で「割とこれはこれで」と思えてくるから不思議。作中最大の見せ場となる最終決戦では主役であるキカイダーを食ってしまいかねないインパクトを持って観客に強い印象を与えてくれます。

 まあ、問題もそれなり多いのですけども。まず第一に、たとえ大人が観ることを前提にした作品だとしても、戦闘シーンが冗長なのはいかがなものか。自分、ヒーローや怪獣のアクションシーンが大好きで、普段のドラマでは(予算その他の話は取り敢えず放っておいて)もっとそういうのを増やせよ! って言っちゃうことが多いのですが、本作に限っては「もう少し削れよ!」と言いたくなってしまう。
 キカイダーが徒手空拳以外武器を持たないのもあってか、敵ロボットと延々と殴り合う所をずーっと見せられるのは、ちょっと魅せ方に問題があるんじゃないかなあと。もっとメリハリ効かせないとアクション映画としてちょっときついんじゃないかなあ。ジロー役の入江氏の生身にロボットっぽさをミックスさせた見応えのある殺陣を先に観ている分、余計に着ぐるみのアクションが単調に思えてしょうがない。戦闘シーンを少し削って100分くらいの物語にしてしまった方がむしろ丁度良いんじゃないか。

 それと、これは個人的な話なのですが、ヒロイン・ミツ子を演じた方があんまり可愛くない(斜めから見た横顔な辺りはかなり可愛いと思ったのですが)のと、幾ら恋愛要素が先に来ないからとはいえ、お話の中での必然性があまり無いのはどうかと。敵方がミツ子たちを狙う理由が、彼女ではなく「その弟」にあり、序盤から人間の姿をしたロボットであるジローを拒絶していることもあってか、中盤、破壊寸前のジローを身を挺して守るシーンに感情移入出来ないと言いますか。別々に描写されるジロー側のドラマとミツ子側のドラマとが上手く噛み合ってなくて、結果ちぐはぐになってるんじゃないかなと。折角恋愛要素を削いだリブートヒーロー映画になったのに、横軸のサイドストーリーが縦軸に上手く絡まないのは勿体無いことこの上無い。

 あと、ファンサービスとはいえ、この内容でテレビシリーズの主題歌をエンディングに持ってくるセンスは正直どうなのか。井口昇監督の「電人ザボーガー」みたいにギャグを全面に押し出した作物ならそれも納得出来ますが、このお話であれはちょっと、なあ……。クライマックスの余韻がぶち壊しになりかねないんじゃないだろうか。ただ、角川・東映提携制作ということで、スタッフロールの制作部分に「W(井上・白倉)伸一郎」の名が連なってる所には笑いましたが。

 その他、乗用マシーンが登場しないことによる「ワープ」と呼んでも差し支えない程の場面転換や、本田博太郎氏演じる電気街の奥地に潜むオジサンが、最先端技術の賜物であるキカイダーを容易く修理したりと、細かい粗はありましたが、まあそれは平成ライダーでもよくあることなので突っ込むのは野暮かなと。


 脚本に二年掛け、角川とタッグを組んで作っただけあって昨今のヒーローものにしてはなかなか骨太な作りではありましたが、戦隊・ライダーを卒業した子どもやかつての大人を取り込むというのなら今一歩、という感じでした。本当に、勿体無い。

総合点:★★★★★★☆☆☆☆
スポンサーサイト
総もくじ 3kaku_s_L.png Journey through the Decade Re-mix
総もくじ 3kaku_s_L.png これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー
総もくじ  3kaku_s_L.png Journey through the Decade Re-mix
総もくじ  3kaku_s_L.png これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー
もくじ  3kaku_s_L.png 観た映画の感想
もくじ  3kaku_s_L.png 自作のアレな絵
もくじ  3kaku_s_L.png わかめ新聞雑記
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年四月号】へ
  • 【これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年六月号】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年四月号】へ
  • 【これから観に行く上で全く役に立たない映画レビュー 平成二十六年六月号】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。