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「二次創作」
それでも、わたしは魔法少女だから

まどマギxディケイド 『それでも、わたしは魔法少女だから』 そのろく

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 22時掲載予定だとか言っておいて盛大に遅刻しました。

 pixiv版とほぼ同じ内容です。

それでもわたしは、魔法少女だから:そのろく【原作:魔法少女まどか☆マギカ】

 配下の戦闘員たちが皆吹き飛ばされ、ドクター・ケイトは戸惑いと恐れに唇を噛む。「何よ、何よ、何なのよ! 誰なのこの子、何なのこの子!」
 ややあって事態を把握し、恐れ以上に怒りに駆られたケイトは、倒れ込む花面たちを踏みつけて叫んだ。
「何を寝てるのあなたたち! あんな小娘、さっさと挽き肉《ミンチ》にしちゃいなさい!」
 戦闘員たちはケイトの号令に体を起こし、一丸となって瓦礫の山頂に立つカナメに襲い掛かる。魔法少女・円カナメは、抱きかかえた夏海を脇に降ろし、にこやかに微笑んだ。
「暫くわたしの近くを離れないでください。あいつらはわたしがやっつけます」
「でも……、あんな数、カナメちゃん一人じゃあ」
「大丈夫です。ぱぱっと片付けちゃいますから」
 そうは言うが、花面たちはカナメたちをぐるりと囲んだ上で、目と鼻の先まで迫っている。こんな状況でどうしようというのか。カナメは身を屈めた夏海を自分の足下に寄せると、目を閉じて静かに呟いた。
「ミキちゃん……。行こう、一緒に」
 その刹那、カナメの左手の甲、青色のソウルジェムが輝いた。ジェムの光はカナメの体を包み込み、彼女の背に純白のマントを、髪を淡い蒼に変え、瞳を涼やかな群青に染めた。
 カナメは背のマントで自身と夏海を覆い、戦闘員たちの攻撃から身を守る。マントにはどの角度からも剣は刺さっておらず、彼女がマントを翻すと共に吹き飛ばされていく。
 花面たちは直ぐ様体勢を立て直し、再びカナメたちに向かい来る。カナメは夏海に離れるよう言うと、瓦礫の山から二本の剣を造り出し、彼らに向かって跳んだ。
 何が起こったのか、花面の戦闘員たちには全く理解出来なかった。彼らは何の抵抗も出来ず、一瞬のうちに胴や首を斬り裂かれていたのだから。
 その理由が、風より早く剣を振るう円カナメであると、この場にいた何人が気付けただろうか。彩花ミキの『素早さ』と『剣技』を身に付けたカナメは、風すら追い越すスピードを獲得していたのだ。
 カナメは戦闘員のほぼ全てを仕留め、ドクター・ケイトに向かって弾丸のように突っ込む。
「あなたは、あなただけは許さない!」
「だったら何だって言うのよ、うっとおしいわね! お前たち、出てらっしゃい!」
 ケイトを目指して一直線に進むカナメを、地面から発生した泥の塊のようなものが受け止める。
 塊は二つに別れて形を成して行き、片方は鬼の角のような兜と鎧を纏った鋼鉄の武人に、もう一方は鎖かたびらを着込み、鷲のような顔の怪物へと姿を変える。
 カナメの剣を受け止めた白銀の鎧は、自由の効かない彼女に文字通りの鉄拳を見舞う。寸前に剣の柄から手を離し、腕を十字に組むが、奴の力は凄まじく、防いでなお地面を擦って士たちの元へと戻されてしまう。
「鋼鉄参謀! 荒ワシ師団長! このコムスメを八つ裂きにしておやり!」
 ケイトの命を受け、まずは荒ワシ師団長が、片手斧を伴って空から襲い来る。カナメは体を起こし、剣を呼び出して師団長の一撃を受けて跳び、戦いの場を空中に移す。
 純白のマントをはためかせた少女と、銀色の鎖かたびらを纏った鷲頭が、刃物の鈍い輝きを伴って交錯する。
 傍目では勝負は互角に見える。しかし、カナメは劣勢に追い込まれていた。背中に一対の翼を持つ荒ワシ師団長とカナメとでは、空を駆ける早さがまるで違う。交錯する鈍い輝きは、防戦一方で成すがままにされて出来た代物なのである。
 師団長の力を御し切れず、カナメはガードの上から撥ね飛ばされ、地表に亀裂が走る程の勢いで叩き付けられてしまう。これで終わりだと言わんばかりに嫌味な鳴き声を上げ、斧を構えて突っ込んで来る。あんなものを喰らって無事で済む筈がない。
 カナメは剣を支えに立ち上がると、瞳を静かに閉じ、両手を顔の前で十字に組んだ。
「サクラちゃん……、あなたの力、わたしに貸して!」
 綴じられた力を解き放つように、組んだ腕を広げる。頭髪が桃色に戻り、背のマントが消え、カナメの右半身が真っ赤に染まった。手には杏子サクラの象徴だった多節根が握られている。
 単一の力では勝てないと理解したカナメは、魔法少女二人分の力で挑もうと考えたのだ。
 襲い掛かる鷲頭に狙いを定め、槍の刃先を奴に向けて伸ばす。師団長は寸での所で体を捻り、軌道を逸らすが、カナメは待ってましたと槍の柄に力を込めた。
 瞬間、槍に切れ目が走り、節同士が鎖で繋がれる。重たい刃先は重力に従って下へと折れ曲がり、体を捻らせた鷲頭の脇腹を捉えた。
 刃が脇腹に食い込み、その先にある鎖に巻かれ、鷲頭は身動きが取れなくなる。カナメは大地を踏み締めて槍を振り、師団長の体を右へ左へと振り落とした。
 弱った鷲頭を鎖の拘束から解いて放り投げる。仕掛けるなら今だ。カナメは右の槍に熱く燃え上がる炎を、左の剣に青い稲妻を宿して、奴の元へと駆け出した。
 体を起こすも間に合わず、師団長は逆袈裟に稲妻の一撃を、横一閃に燃える炎の一撃を喰って、体を四つに斬り裂かれた。
 荒ワシ師団長を裂いたカナメに、白銀の鎧が迫る。彼女の顔ほどに大きい拳でカナメを武器の上から殴り付け、体勢を大きく崩させる。
 両の武器を振って反撃するが、鋼鉄参謀はびくともしない。それどころか鎧の堅さに刃の方が欠けてしまう。
 このままでは行けない。カナメは武器を置いて再び顔の前で組む。
「アケミちゃんお願い、一緒に……戦って!」
 組んだ腕を解くと共に、カナメの衣装が紫に変わる。頭髪は黒に染まり、左手には焔アケミが持っていたのと同じ盾が現れた。
 鋼鉄参謀の殴打を盾で受け止める。衝撃が地面に逃げ、周囲に亀裂が走るが、カナメに痛みはない。参謀の残った左手が、そこから動けないカナメに迫る。今殴られたら対処のしようがない。
 盾の中央部が開き、中の砂時計が動く。同時にカナメの姿が音も無く消え失せ、奴の左拳は空を切った。その場に居た誰もが周囲を見回すが、カナメは見付からない。彼女は鋼鉄参謀の頭上にいた。多数の重火器を携え、それら全てを奴の方へと向けている。
 ――ティロ……、フィナーレ!
 カナメの叫びとともに、重火器全ての砲門が開け放され、鋼鉄参謀を焼き尽くす。奴の居た半径数メートルを焦土に変えた。

「すげぇ……、あれがカナメちゃんの力かよ」ユウスケが興奮気味に言う。「戦闘員や怪人たちをあんなに容易く仕留めるなんて」
「いや、あれはカナメだけの力じゃない」ユウスケと対照的に、ディケイドは冷やかに言う。「アケミにミキにサクラ……。やつら三人の力が合わさってやがるんだ。確かに強いさ。けれど、悲しいな」
「それ……は」ユウスケはそれ以上何も言えず押し黙る。

 二体の護衛とほぼ全ての雑兵を始末したカナメは、桃色の衣装に戻って、たじろぐケイトに向かい歩を進めて行く。
「く、く、くぅ……! 近寄るな、離れろ、離れなさいッ!」
 ケイトは体表から流れ出る毒液を飛ばし、必死にカナメの行く手を阻もうとする。だがそれもカナメの手持ち武器・木の枝を象った弓に弾かれ、全く意味を成さなかった。
「アケミちゃんたちだけでなく、夏海さんや、他の魔法少女までも……! あなただけは、わたしの手で、倒す!」
「ひっ……、ひぃやああああッ! 助けて、助けて、助けて! 誰か、誰かぁあッ!」
 攻め手を無くした上に恐怖に駆られケイトは、カナメに背を向けて逃げ出してしまう。カナメはそんな彼女を逃がさなかった。胸元に輝くソウルジェムが、光となって弓に装填される。そこに赤青紫のソウルジェムが合わさって、力強く渦を巻いた四色の矢となった。
 力一杯弦を引き、四色の光をケイトに放つ。光の矢は邪なる怪人を一撃で撃ち貫き、再び彼女の胸元へと戻った。
「私が、この私が、消える……?」
 そんなこと認められるか。自分は大ショッカーの大幹部になる。ライダーや人間の小娘ごときに邪魔されてなるものか。消え行くケイトの脳裏に、怨み辛みが去来する。
 彼女は決断した。どうせ死ぬのであれば、目の前の邪魔者たちを自らの手で始末し、組織に自分の力を認めさせてやろうと。
 ドクター・ケイトは矢が自分を焼き尽くす前に、残された腕で胸から上を斬り落とし、残る体を蔦のようなものへと変え、地の底へと姿を消した。ややあって、地鳴りと共に結界中が激しく揺れ始めた。あちこちで亀裂が走り、呪いから解放されたソウルジェムが次々と呑み込まれていく。
 それから間も無く、カナメたちから見て遥か遠方の地表が、不気味な隆起をし始める。物凄い早さで盛り上がり、先の魔女と同じかそれ以上の大きさにまで達した。
 膨れ上がった地面は地表から切り離され、宙に浮いた。土と草だらけの物体は徐々に形を変え、大きな『薔薇の花』のような形状となって落ち着く。
 薔薇の花弁が開いた。中では細かい歯が隙間無くびっしりと生え揃っており、中央の雌しべ部分には、上半身だけとなったドクター・ケイトが埋まっている。
 巨大な薔薇の化け物となったケイトが叫ぶ。「最早姿形などどうでもよい! 私の憎しみ怨み辛み……、その力でお前たちを大ショッカー大首領様の生け贄にさせてもらうわ!」
「そんなこと……させないっ!」新たな敵に物怖じせず、カナメは弓矢を構えて突っ込む。先の戦いで使った四色の光の矢を放ち、核となるケイトを狙い撃つ。だが、円カナメ渾身の一撃も、着弾の瞬間閉じた花弁に阻まれて、彼女にまで届くことはなかった。
「……くぅッ!」攻撃が通じず歯噛みするカナメに、無数の薔薇の蔓が襲う。うちいくつかを撃ち落とし、体を捻らせて残りをかわすが、全てを避け切ることは出来なかった。不意に飛んで来た一本の蔦に足を取られ、振り子の要領で地表に叩き付けられてしまう。
 足を掴まれ自由に動けないカナメを羽交い絞めにし、ケイトは蔦同士が複雑に絡み合って出来た”槍”を伸ばす。頭や腹を突かれても死にはしないが、胸に填まったソウルジェムを狙われれば話は別だ。
 抜け出そうともがくが、魔法力こそあっても、力は女子中学生のそれと何ら変わらないカナメ。当然蔦の拘束を解くこと出来る訳が無い。カナメの意思に関わらず、蔦の槍は無慈悲に振り下ろされる。

 ――させ、るかぁああああああッ!
 身動きの取れないカナメを、漸く追いついてきたディケイドが救う。ライドブッカーの刃で槍の軌道を反らしたのだ。
「カナメ、無事か!」
「士さん……、無事かっていうならあなただって」
「お前が命張ってんのに、男の俺たちが黙ってられるかってんだ。なぁ?」
 ディケイドの呼びかけに応じ、カナメの近くまで来ていたクウガがおう、と言葉を返す。彼はカナメに絡まる蔦を力任せに引き千切った。
「ありがとうございます、士さん。小野寺さん」
「いいってことよ、気にしないで」クウガは右手の親指を立てて言葉を返した。
 彼に手を引かれて体勢を立て直し、今一度怪物と化したケイトと向かい合う。
「……だがよ、どうするカナメ」ディケイドが問う。「手抜きっぽかった今のですら、反らせるのが精一杯だった。お前の力が効かないとあっちゃあ、俺たちに為す術なんざ何もねぇぞ。尻尾巻いて逃げるか?」
「何言ってるんですか士さん」カナメが凛とした表情で言う。「そりゃあ怖いですよ。勝ち目なんてありませんし、元が同じ魔法少女と戦うだなんて嫌です。けど……。ドクター・ケイトを放っていたら、もっとたくさんの人々が悲しむんです。もう他の誰にも、わたしみたいな思いをしてほしくないんです!」
「そう……か。考えてることは同じみてぇだな。あんな花のつぼみに俺たちの行くべき道を潰されてたまるか。倒すぞカナメ。俺とユウスケと……お前たちの力でな」
「わたし……たち?」
「そうだ。カナメ、ちょっとくすぐったいぞ」
 言葉と共にディケイドが取り出したのは、金の縁取りにカナメのソウルジェムが刻まれたカード。対象に特殊な変化を与える『ファイナルフォームライド』カードだ。絶望を恐れず、志を持って立ち向かうカナメの心と士の心が響き合ったのだろうか。
 ――FINAL FORM RIDE 「Ma-Ma-Ma-MADOKA」
 ドライバーからスクラッチ音が響き渡ると同時に、カナメの背に両手を突っ込み左右に引いて行く。彼女の体に目立った変化はない。しかし、胸に填まったソウルジェムから赤青紫の輝きが消えた。同時にそれら三色がカナメの背中から放たれ、形を成して目の前に並び立つ。
 焔アケミ、彩花ミキ、杏子サクラ。死んだ筈の三人がカナメの前に現れたのだ。
「みんな……どうしてここに!」
 カナメの問いに、ミキが頭を掻きながら答える。「いやさ……、あたしたちにもよく分かんないんだよねぇ。しっかし何よそのヒラヒラ衣装。可愛いけ……どおぉッ!?」
 ミキを突き飛ばし、彼女の話を強引に遮って、アケミが二人の間に割って入って来た。
「カナメ……! また貴女と話せる時が来るなんて……逢いたかった、ずっとずっと逢いたかったッ!」
「むうぅ……、くるしいよアケミちゃん、離れて、離れてって!」
 カナメがいくら言おうとも、アケミは彼女に抱き締めての頬擦りをやめようとはしない。
 それを腹立たしく思ったミキは、仕返しにとアケミの頭に拳骨を入れた上で、彼女をカナメから引き剥がした。
「出てきて早々何しでかしてんのよ! カナメが嫌がってるじゃない!」
「邪魔しないで彩花ミキ、あなたに私の何が分かると言うの!?」
「だったらカナメの気持ちも察してやんなさいよ! そんなんだからあんたは友達出来ないのよ、分かってんの!?」
「そんなこと今はどうでもいいのよ、カナメ、カナメーッ!」

 自分を偽る必要が無くなり、己の欲望のままに動くアケミと、彼女のそんな一面に戸惑いつつも、カナメを守るために体を張るミキ。
 傍から見ると微笑ましい争いに、一歩退いた所で見ていたサクラが待ったを掛けた。
「はいはい、嫁の奪い合いはみっともねぇし、余所でやれよな。つーか前見ろ前! そんなことしてる場合じゃねぇだろうが!」
「そんな事とは何。あなたまで私を馬鹿に……」
 怒りに任せて掴み掛かろうとするも、魔女の蔦に阻まれる。サクラは斬り裂き、アケミは時間を止めてそれをかわした。
「……納得したわ」アケミは歯噛みして魔女を睨む。「あれを倒さなきゃ、どうにもならないってことね」
「そーゆーこと。んで、そこのピンク色の縞々仮面。何か策はあるのか?」
「これはピンクじゃない、マゼンタだ!」声を荒らげてディケイドが言う。「……まぁ、こんだけ頭数が揃えば、やってやれないことはない。俺たちが花弁を突き破り、お前たちがケイトを片付ける。それくらいはしてやらにゃあな」
「簡単そうに言うけど……」アケミが口を挟む。「ぼろ雑巾一歩手前のあなたたちに何が出来るっていうの」
「仮面ライダーを舐めるなよ。そこまで言うなら『とっておき』を見せてやる」
 ディケイドはバックルのケータッチを取り外し、スクリーンに映る『クウガ』の紋章を押し込んだ。
「行くぜユウスケ。これが俺たちのとっておきだ!」
 ――KUUGA.KAMEN RIDE 「ULTIMATE」
 ケータッチの電子音と共に、ディケイドの胸に輝く九枚のライダーカードがクウガのもの一色に変わる。しかもただのクウガではない。二本だった頭部の角は四本になり、黒い体に金のラインが走った、より禍々しい姿だ。
 小野寺ユウスケ――仮面ライダークウガを、一枚のカードが通り抜ける。カードを潜ったクウガは、ディケイドの胸に描かれたあの姿へと変わっていた。
 何者をも地獄の業火で焼き尽くす、クウガ最強にして最後の形態・アルティメットフォームだ。
「うぉ……おぉっ!? なんだよこりゃあ! 黒くなってんぞ、滅茶苦茶黒くなってんぞ士ぁ!」
「色の事ぐらいでいちいち騒ぐな、来るぞ!」
 薔薇の魔女は、変化に困惑するだけの隙をクウガに与えなかった。蔦を纏めて槍にしたのと同じ要領で、巨大な鎚を作り出し、仮面ライダーたちへと振り下ろしたのだ。
 飛び退いて避けようとするも、蔦は既にディケイドたちの足を絡め取っており、彼らは鎚を受け止めざるを得なかった。
 ライダーと魔女との力の差は余りにも大きい。このままでは押し潰されて終わりだ。だが、今の彼らには対抗策があった。
 二人は両の掌に力を込める。それと同時に、魔女の花弁のあちこちから火を噴いて、気味の悪い呻き声が上がった。
 標的を内部から焼き尽くす、クウガ・アルティメットフォームの『超自然発火能力』。
 魔女は堪らず鎚の形を解き、炎を揉み消さんと蔦を這わす。この機を逃す手は無い。二人はお座なりになった鎚を放って逃れ、魔女を見下ろす程に高く跳び上がった。
「行くぜユウスケ、一発で決めるぞ!」
「おうよ!」
 ――FINAL ATTACK RIDE 「Ku-Ku-Ku-KUUGA」
 跳ぶと同時に左腰のバックルを叩き、スクラッチ音を響かせる。二人の両足に炎が灯り、斬り揉みを加えた上で魔女に突っ込んで行く。
 二大ライダーの強烈な一撃も、魔女を覆う堅牢な花弁に防がれて、やはり本体に届かない。逆に弾かれ、ディケイドとクウガは跳んだ時よりも高く宙を舞う。
 だが変化はあった。足先に灯った炎と蹴りの衝撃に依り、まるで玉葱の皮を剥くように、ケイトを包む花の鎧が剥がれ、垂れ下がって行ったのだ。
 地表にめり込む程強く叩き付けられ、指一本動かせなくなったが、それでも尚、ディケイドは声を張り上げた。「後はお前たちの仕事だぜ、一気に決めろよ!」
 ミキとサクラが武器を掲げて叫ぶ。「上等。やってやろーじゃん」
「ここはアタシたちに任せろ。カナメとアケミはドでけぇ一発の準備でもしてな」
 カナメとアケミは何も言わず頷き、弓を二人で構えて力を込める。蒼髪の少女は両手に剣を、紅色の少女は槍を手に、魔女の核へと飛び込んだ。
 蔓と同じく、ケイトは無数の棘を伸ばして牽制を掛ける。彩花ミキは青い残像を残して棘を刈り取り、杏子サクラは槍より噴き出した炎で焼き払いつつ、コアの頂点に進んで行く。
 ドクター・ケイトの本体が見えてきた。核まで後少しだ。しかしそう容易く辿り着かせてはくれない。ケイトは両腕を壁にめり込ませ、二人を押し潰さんと壁を狭めて来た。剣にしろ槍にしろ、広くなければ存分に振るえない。魔法少女たちは核に乗り込むのを諦めて、手持ちの武器を支えにし、狭まる壁を受け止める。
「残念だったな。アタシたちはまだ生きてるぜ!」
「こいつはお返しよ、喰らいなさいッ」
 言って、ミキは二本の剣を投げ付ける。剣はケイトの両腕を根本から斬り裂いた。腕が本体から離れ、指令が行き届かなくなったことで壁の動きが止まり、ケイトをぐるりと囲んで、中央にぽっかりと穴が開いた。
 穴から這い出した二人が叫ぶ。「今よカナメ、アケミ!」
「チューリップの化け物を焼いちまえ!」
「うん!」
 弓には、既に桃と黒のエネルギーで作られた矢が張られている。後はこれをケイトに放つだけだ。しかしケイトもそう簡単にやられはしない。狭め過ぎて筒状になったのを利用し、体表を流れる毒膜を液に変えて放射したのだ。
 ミキとアケミが青い稲妻と赤い炎で護りを固めるが、それすらも突破してカナメたちに迫る。アケミの時間停止能力を使えば避けるのは容易い。だが矢の勢いを保ったまま、ここから動くことは出来ないのだ。皆が作ったチャンスを不意にして避けるか? 相殺覚悟で矢を撃ち込むべきか? 弓を引く二人の少女は思い悩む。
 いや、答えは最初から決まっている。皆が開いてくれた道を無駄にするわけに行かない。
 そう考え、毒液ごと撃ち抜かんとするが、彼女が矢を放たんとしたまさにその時、カナメたちの背後から『黄色い閃光』が飛び、降り注ぐ毒液を掻き消した。
「今の……は!?」カナメは驚いて顔を後ろに向ける。眩しくてはっきりしないが、金色の輝きの中に、カナメたちと同じ”魔法少女”の姿が見て取れた。
 ふと、右手に目をやると、黄色い粉のようなものが、光に反射して周囲に舞っている。信じられないことではあるが、二人は全てを理解した。
「ありがとう……。この一撃で、全てを、終わらせるッ!」
 弓を引き切ったと同時に、カナメの体が光り輝き始めた。同時に、頭髪はより鮮やかな桃色に、纏いし衣装は白と桃を基調とした絢爛なドレスに、背中からは蒼色の翼を生やし、神々しき姿へと変異する。
「光に……」「なれぇえええええええッ!」
 ――うわあぁぁぁぁッ!
 友が、仲間が、憧れの先輩が作ってくれた道に感謝し、十分に集束された光の弓矢を魔女に放つ。矢は一直線にケイトの頭を貫き、声を発する間すら与えずに消し去った。

 ドクター・ケイトという核を失ったソウルジェムが、浄化の炎に巻き込まれ、美しい光となって消えて行く。彼女たちは幸せだったのか、本当にこれで救われたのだろうか。カナメたちには分からなかった。
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